冷凍庫は日常的に使われる家電でありながら、処分方法が分かりにくい代表的な存在です。その理由の一つが、冷蔵庫と見た目や機能が似ている点にあります。「小型だから自治体で捨てられるのでは」「冷蔵庫と同じ扱いでいいのか」など、判断に迷いやすく、結果として処分を先延ばしにしてしまうケースも少なくありません。また、冷凍庫は常に電源を入れて使用する家電のため、中身の整理や霜取りといった事前準備も必要になります。さらに、法律上の扱いが関係することを知らず、誤った方法で出そうとして回収を断られることもあります。このように、冷凍庫はサイズや用途以上に「制度面の分かりにくさ」が処分を難しくしている家電だといえます。
本記事では、処分方法から処分する際の注意点も併せてご紹介します。自治体の回収から専門サービスまで選択肢は幅広いため、特徴や注意点を理解して、自分に合った方法で安全かつスムーズに処分することが大切です。
冷凍庫の処分方法7選
家電量販店で引き取ってもらう方法
家電量販店での引き取りは、冷凍庫処分の中でも最も一般的な方法です。新しい冷凍庫を購入する際に、同時に古い冷凍庫の回収を依頼できます。多くの量販店では、家電リサイクル料金と収集運搬費を支払うことで対応してもらえます。搬出作業まで任せられるため、自分で運ぶ必要がなく、重い冷凍庫でも安心して処分できます。一方で、買い替えを伴わない場合は引き取りを断られるケースや、別途手数料が高くなる場合もあります。また、回収日時が限られることもあるため、急ぎの処分には向かないことがあります。費用はかかりますが、手間を最小限に抑えたい人に向いた方法です。
| メリット | デメリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 搬出から回収まで任せられるため手間が少ない | リサイクル料金+収集運搬費がかかる | 買い替えが条件になる店舗もある |
| 大型・重量物でも安全に処分できる | 回収日時を指定できない場合がある | 設置場所によっては追加費用が発生することがある |
| 法律に沿った正規ルートで安心 | 即日回収は難しいことが多い | 事前に費用総額を確認しておく |
指定引取場所へ自分で持ち込む方法
費用をできるだけ抑えたい場合は、指定引取場所へ自分で持ち込む方法があります。郵便局で家電リサイクル券を購入し、必要事項を記入したうえで、指定された施設へ冷凍庫を搬入します。この方法では収集運搬費がかからないため、支払うのはリサイクル料金のみで済みます。ただし、自家用車で運搬できることが前提となり、積み込みや荷下ろしもすべて自己対応です。冷凍庫は重量があり、階段や狭い通路での搬出は危険を伴うため、無理のない範囲で行う必要があります。体力や車両の条件が整っている人向けの方法です。
| メリット | デメリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 処分費用を最小限に抑えられる | 自分で運搬・搬出する必要がある | 冷凍庫のサイズと車両の積載可否を確認する |
| 収集運搬費が不要 | 体力的な負担が大きい | 無理な搬出はケガの原因になる |
| 手続きが明確で透明性が高い | 平日のみ対応の施設が多い | 事前に指定引取場所の受付時間を調べる |
購入店に回収を依頼する場合
冷凍庫を購入した店舗が分かっている場合は、その購入店に回収を依頼できることがあります。家電リサイクル法では、小売業者に回収義務があるため、条件を満たせば対応してもらえるケースがあります。買い替えでなくても引き取りに応じてくれる場合があり、量販店より柔軟な対応をしてもらえることもあります。ただし、店舗によっては出張回収を行っていない、または回収までに時間がかかる場合があります。事前に問い合わせて、費用や回収条件を確認することが重要です。
| メリット | デメリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 家電リサイクル法に基づき回収してもらえる | 店舗によって対応可否が異なる | 購入履歴が分かるとスムーズ |
| 量販店より柔軟な対応をしてくれる場合がある | 出張回収に対応していないことがある | 回収まで時間がかかるケースもある |
| 正規処分で安心 | 料金体系が分かりにくい場合がある | 事前に電話で詳細確認が必須 |
買い替え時の下取り・回収サービス
冷凍庫を新しく買い替える場合は、下取りや回収サービスを利用するのが効率的です。下取り対象になることは少ないものの、回収費用が割引されるキャンペーンが実施されている場合もあります。新旧入れ替えで同日に対応してもらえるため、冷凍庫が使えない期間が発生しにくいのもメリットです。ただし、下取り価格はほぼ期待できず、基本的には処分目的のサービスと考える必要があります。設置条件や回収条件が細かく決められていることもあるため、購入時に必ず確認しましょう。
| メリット | デメリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 新旧入れ替えが一度で完了する | 下取り価格はほぼ期待できない | キャンペーン条件を確認する |
| 回収費用が割引されることがある | 対象機種が限定される | 設置・回収条件に制約がある |
| 手間が少なく効率的 | 即日対応不可の場合がある | 購入時に必ず回収有無を確認 |
リサイクルショップ・買取が可能なケース
製造年が新しく、正常に動作する冷凍庫であれば、リサイクルショップで買い取ってもらえる可能性があります。特に小型冷凍庫や需要の高いメーカー品は、買取対象になりやすい傾向があります。ただし、年式が古いものや霜取り不良、異音があるものは買取不可となるケースがほとんどです。また、持ち込みが必要な店舗も多く、出張買取は断られることもあります。処分費用をかけずに手放せる可能性はありますが、過度な期待はせず、事前査定を受けるのが現実的です。
| メリット | デメリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 処分費用がかからず現金化できる可能性がある | 年式が古いと買取不可になりやすい | 製造年・型番を事前に確認する |
| 再利用につながり環境にやさしい | 持ち込みが必要な場合が多い | 動作確認は必須 |
| 状態が良ければ比較的スムーズ | 出張買取不可の店舗も多い | 清掃してから査定に出すと印象が良い |
フリマアプリ・譲渡で手放す方法
まだ使える冷凍庫であれば、フリマアプリや知人への譲渡という選択肢もあります。小型冷凍庫や一人暮らし向けモデルは需要があり、送料を含めても引き取り手が見つかる場合があります。ただし、大型冷凍庫は配送費が高額になりやすく、結果的に売れにくい傾向があります。また、個人間取引では故障やトラブルのリスクもあるため、動作確認や状態説明を丁寧に行うことが重要です。時間と手間をかけられる人向けの方法です。
| メリット | デメリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 処分費用をかけずに手放せる | 売れるまで時間がかかる | 配送料が高額になりやすい |
| 必要としている人に直接渡せる | 個人間トラブルのリスクがある | 動作状態を正確に記載する |
| 小型冷凍庫は需要がある | 梱包・発送の手間が大きい | 直接引き渡しの方が安全な場合もある |
不用品回収業者に依頼する方法
急ぎで処分したい場合や、自力での搬出が難しい場合は、不用品回収業者に依頼する方法があります。電話やネットで申し込むだけで、自宅からの搬出・回収まで一括で対応してもらえるため、非常に手軽です。冷凍庫以外の不用品もまとめて処分できる点もメリットです。ただし、家電リサイクル料金とは別体系の料金になるため、自治体ルートより費用が高くなる傾向があります。事前見積もりを必ず取り、許可の有無や料金体系を確認することがトラブル防止につながります。
| メリット | デメリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 即日・希望日時で回収してもらえる | 費用が高くなりやすい | 必ず事前見積もりを取る |
| 搬出作業をすべて任せられる | 業者選びを間違えるとトラブルになる | 許可業者かどうか確認する |
| 他の不用品もまとめて処分できる | 料金体系が不透明な業者もある | 追加料金の有無を確認する |
冷凍庫は何ごみ?基本ルールと法律の整理
冷凍庫は、可燃ごみ・不燃ごみ・粗大ごみのいずれにも分類されません。基本的には家電リサイクル法に基づき、専用ルートで処分する必要があります。自治体のごみ分別表に記載がない、もしくは「回収不可」と書かれている場合が多いのもこのためです。サイズが小さいからといって例外扱いされることはなく、冷却機能を持つ時点で対象家電となります。法律上の位置づけを理解しておかないと、「なぜ出せないのか分からない」という状態に陥りやすいため、冷凍庫は最初から特殊な処分ルールがある家電だと認識しておくことが重要です。
家電リサイクル法の対象になる冷凍庫の条件
家電リサイクル法の対象となる冷凍庫の条件は、「家庭用で、食品などを冷凍保存する機能を備えていること」です。容量の大小や価格、使用年数は関係ありません。一人暮らし用の小型冷凍庫でも対象になります。一方で、業務用冷凍庫は産業廃棄物扱いになる場合があり、処分ルートが異なります。この区別を誤ると、依頼先や費用が大きく変わるため注意が必要です。家庭で使用していたかどうかが判断基準になるため、購入時の用途や設置場所を基に考えると分かりやすくなります。
冷蔵庫・冷凍庫・冷凍冷蔵庫の区別
冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫は構造や用途に違いはありますが、処分ルール上はすべて家電リサイクル法の対象です。冷凍冷蔵庫は一体型であるため分かりやすい一方、冷凍庫単体は誤解されやすい傾向があります。ただし、処分方法や必要なリサイクル料金はほぼ共通です。名称や見た目に惑わされず、「冷却機能を持つ家電かどうか」で判断することが、正しい処分につながります。
自治体で回収できない理由
自治体が冷凍庫を回収できない理由は、法律によって処分責任がメーカーと利用者に分けられているためです。通常のごみ収集では、フロン回収や適切な分解処理ができません。そのため、自治体は回収対象から除外しています。自治体に持ち込んでも断られることが多く、「なぜ回収してくれないのか」と疑問に感じる人もいますが、これは制度上の決まりです。例外的に回収を行う自治体はほとんどなく、基本的には別ルートを選ぶ必要があります。
冷凍庫を処分する前に必ず確認したい注意点
冷凍庫は処分前の準備を怠ると、水漏れや異臭、搬出トラブルにつながります。特に中身の整理や電源オフのタイミングは重要です。事前準備をしっかり行うことで、回収作業がスムーズになり、余計なトラブルを防ぐことができます。処分方法を考えるだけでなく、「安全に出すための準備」も含めて計画することが大切です。
中身の整理・霜取り・電源オフのタイミング
処分前には、必ず中身をすべて取り出し、電源を切って霜取りを行います。電源を切るタイミングは、処分日の前日から前々日が目安です。霜や氷が残ったままだと、水漏れの原因になります。ドアを開けた状態でタオルなどを敷き、完全に解凍させることが重要です。焦って処分すると、搬出時に床を濡らすなどのトラブルにつながるため、余裕を持った準備が必要です。
電源コード・付属品の扱い
電源コードは本体に巻き付けるか、テープで固定しておくと搬出時に引っかかりにくくなります。説明書や棚板などの付属品は、基本的に本体と一緒に処分します。外したまま別にしてしまうと紛失の原因になります。特別な分別は不要ですが、回収業者から指示がある場合はそれに従いましょう。
水漏れ・異臭を防ぐための対策
霜取り後も内部に水分が残ることがあります。処分当日までドアを少し開けて乾燥させることで、異臭やカビの発生を防げます。また、受け皿に溜まった水を捨てておくことも重要です。これらの対策を怠ると、搬出中に水が垂れたり、車内を汚したりする原因になります。
屋内搬出時のケガ・床傷防止の注意点
冷凍庫は見た目以上に重量があり、無理に一人で運ぶと腰や手を痛める危険があります。必ず複数人で作業するか、無理な場合は業者に依頼する判断も必要です。床や壁を傷つけないよう、毛布や段ボールを敷いて搬出すると安心です。焦らず、安全を最優先に行動することが重要です。
冷凍庫の処分費用相場と内訳
冷凍庫の処分には、主にリサイクル料金と収集運搬費がかかります。選ぶ処分方法によって総額は大きく変わるため、事前に内訳を理解しておくことが重要です。特に「なぜ費用がかかるのか」を知っておくと、納得したうえで処分できます。
リサイクル料金の目安
冷凍庫のリサイクル料金は、メーカーや容量によって多少異なりますが、数千円程度が一般的です。この料金は全国共通で設定されており、どこで処分しても大きな差はありません。郵便局でリサイクル券を購入するケースもあり、支払い方法は事前に確認しておく必要があります。
収集運搬費がかかるケース
自宅まで回収に来てもらう場合、リサイクル料金とは別に収集運搬費が発生します。金額は依頼先や地域によって異なりますが、利便性と引き換えに必要な費用です。階段作業や長距離搬出がある場合、追加料金がかかることもあります。
業者依頼と自己搬入の費用比較
業者に依頼すると手間は少ない反面、費用は高くなりがちです。一方、指定引取場所へ自分で持ち込めば、リサイクル料金のみで済むケースが多くなります。ただし、運搬手段や労力を考慮すると、必ずしも安いとは限りません。自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。
よくある質問
Q1.冷凍庫は自治体の粗大ごみとして出せますか?
A.基本的に冷凍庫は家電リサイクル法の対象製品のため、自治体の粗大ごみとしては処分できません。多くの自治体では回収対象外となっており、誤って申し込んでも当日回収されないケースがあります。冷凍庫は冷蔵庫と同じ扱いになり、リサイクル料金を支払ったうえで、販売店回収・指定引取場所への持ち込み・回収業者への依頼といった方法で処分する必要があります。自治体の粗大ごみ案内に載っていなくても、回収不可として明記されていることが多いため注意が必要です。
Q2.冷蔵庫と冷凍庫で処分方法に違いはありますか?
A. 処分方法自体に大きな違いはありません。冷蔵庫・冷凍庫・冷凍冷蔵庫はいずれも家電リサイクル法の対象で、同じ仕組みで処分します。ただし、容量やメーカーによってリサイクル料金が異なる場合があります。また、冷凍庫は霜取りや水抜きが不十分だと水漏れトラブルが起きやすいため、処分前の準備面では冷蔵庫以上に注意が必要です。基本ルールは同じでも、準備の手間に違いがある点は理解しておきましょう。
Q3. 電源を切ってからどれくらい置いておく必要がありますか?
A. 目安としては、処分日の前日から前々日に電源を切るのが理想です。冷凍庫は霜や氷が厚く付着していることが多く、短時間では完全に溶けきりません。十分に時間を置かずに運び出すと、搬出中に水が漏れたり、床や通路を濡らす原因になります。ドアを開けて自然解凍し、タオルなどで水分を吸収させることで安全に処分できます。余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
Q4. 壊れて動かない冷凍庫でもリサイクル料金はかかりますか?
A. はい、故障している冷凍庫でもリサイクル料金はかかります。家電リサイクル法では「使用の可否」に関係なく、対象製品であればリサイクルが義務付けられています。電源が入らない、冷えないといった状態でも、部品や資源として再利用されるため、処分方法と費用は基本的に変わりません。無料回収をうたう業者には注意が必要で、後から高額請求されるケースもあるため、正規ルートでの処分が安心です。
Q5.冷凍庫の中身が残っていても回収してもらえますか?
A. 基本的に中身が入ったままでは回収してもらえません。食品や保冷剤が残っていると、回収拒否や追加対応を求められることがあります。特に食品が入ったままだと、異臭や衛生面の問題が発生しやすいため、必ずすべて取り出してから処分する必要があります。中身の処分も事前に計画し、可燃ごみや不燃ごみとして適切に分別しておくことが大切です。
Q6. 冷凍庫を無料で処分する方法はありますか?
A. 確実に無料で処分できる方法はほとんどありません。家電リサイクル法の対象である以上、リサイクル料金は原則必須です。ただし、製造年が新しく状態が良い場合は、リサイクルショップで買取される可能性があります。また、フリマアプリや譲渡で引き取り手が見つかれば、結果的に費用をかけずに手放せることもあります。ただし、必ず成立するわけではないため、確実性を求める場合は正規の処分方法を選ぶのが安心です。
冷凍庫を処分するならごみ怪獣におまかせ
冷凍庫の処分方法には、自治体回収から売却、溶解処理までさまざまな選択肢があり、目的や処分量によって最適な方法は異なります。量が多かったり、仕分けや運び出しが難しかったりすると、自力での処分が負担になることもあります。
そんなときは、専門の不用品回収サービスを活用するのもひとつの方法です。ごみ怪獣では、冷凍庫のような処分が難しいものにも柔軟に対応しており、仕分け不要・屋内からの運び出しにも対応しているため、「まとめて手放したい」という場面で便利です。自分の状況に合った処分方法を選び、気持ちよく整理を進めていきましょう。
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